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死にぞこない
そんなに苦しくないのに
眼前に迫る本当の死
しめつけられていく動脈
激しく動く脳
赤い線と血の玉が走る右腕
失われた時間
死にかけて自分を癒す
ぎりぎりを生きて
何かに突き落とされるのを待っている
果てしなく遠い未来
空虚な現在
つかめるのは空気だけ
無間地獄の底を這って
君のいる屋根の向こう側を泣きながら眺め続ける
私みたいな薄汚れた死体は行ってはいけない
このてがきみをけがすきずつける
私の口をふさいで
手足を縛って
目隠しをして
首に鎖をつけて
この地下に閉じ込めてくれ
誰の邪魔もしたくない
私に水を与えるな
私にパンを与えるな
私に慈悲を与えるな
私に情けの涙を流すな
私を救えるもの
例えばとがったナイフ
例えば縄
例えば毒
例えば炎
例えば憎しみ
例えば倒錯した快楽
愛情は恐ろしい
信じられない
憎しみは、ほんものだ