冷めたミルクティーはきっとあなたを癒せない
生クリームがまだ喉に張り付いて

吐きそうだ


とがったガラスがきれいだから
僕は君の喉元にいつだって当てていた。
それは確実に君を沈めていった。
いつの間にか遠いところに。
電話は届く。ノイズが混じる。
君はすすり泣く。
君がいつも先に泣くから、
僕は涙が出てこない。

あの時のあの言葉が本当ではなかったことも
あの時の君の曇った目には僕が見えなかったのも
知ってるよ。
でもあの瞬間の混じった二つの体温と、柔らかな湿った唇と、冷たい頬は
嘘でも本当でもない。
遠くで君が泣いていた。それだけは知っていた。
僕は、そこへいく手段を、もっていなかった。
暗い部屋の小さなソファで、絶望的な事実が静かに訪れる。

血だらけの手で築き上げたもの
僕は屋上から放り投げる
地面に叩きつけられてこなごなになったシャンデリア
街灯に照らされて氷の破片
震える

乾いた暖かな太陽の香りは当分いらない
それより甘くてとろりとした、生ぬるいバスタブに
押し込んで、

まだ生きてる

乾いた肌に悲しい最後が欲しい
鋭い痛みを心臓に
どうにもならないことを
染み込ませて
毒が脳にまで巡れば
終わりが始まる